戦国時代を舞台にした漫画を見つけただけで興奮してしまうマサムネです。
今回はせがわまさき先生の漫画「山風短」について語っていきます。
マサムネが好きな戦国漫画の一つですが、ちょっとマイナーなせいか周りに知ってる人が居ないという悲しさ。
山風短は短編集なのでサクッと読めて、ギュッと濃縮された内容が心に響く良い作品です。
山風短を知らないあなたや、読んだけどマサムネみたいに周りと共有できないあなたにも楽しんでもらえる記事を書きましたので、息抜きがてらお付き合い下さい。
山風短 第一幕 くノ一紅騎兵ってどんな作品なの?
まずは気になる山風短というタイトルですが、ここからは内容の想像がつかないと思います。
この漫画は時代小説家として有名な「山田風太郎」先生の短編小説を原作として、漫画家の「せがわまさき」先生が描いた作品になります。
なので山風短(山田風太郎の短編)なのでしょうね。
山風短は全4巻ですが、各巻ごとに違ったお話が載っているのでどこから読んでも大丈夫です。
古本屋で見つけても全巻揃ってなくてしょんぼりなんて展開でも安心です。
今回は1巻にあたる「第一幕 くノ一紅騎兵」についてご紹介していきます。
豊臣秀吉の死後、関ケ原の合戦が始まる前の上杉家がこの作品の舞台です。
上杉家も謙信無き後を甥の景勝が継いでおり、豊臣につくか徳川につくかを決めかねている不安定な状況で、そんな状況を打破するために家老の直江兼続が奔走するお話です。
直江兼続が召し抱えた大島三十郎という小姓を使って天下を動かしていく痛快ストーリーかと思いきや、それでは終わらない驚きの展開が待っています。
山風短 第一幕がどんな作品か分かって頂けたと思うので、ここからはマサムネの独自視点で、山風短 第一幕を語っていきたいと思います。
山風短で重要な直江状について戦国マニアの視点から語るぜ!
山風短の第一幕は直江兼続が上杉家を豊臣方につかせて、徳川と対立する構図を描いたのではないかという内容になっています。
対立の原因をつくった書状として出てくる、徳川家康に宛てて書いた「直江状」という手紙がありますが、この書状は実在していました。
直江状の原本は残っていませんが一部の写本が存在している事や、徳川家について書かれた徳川実記、京都の鹿苑院で代々僧侶が記した鹿苑日録にも直江状が存在した記述が残っているのです。
どういった経緯で直江状を読んで徳川家康が激怒したのかを、分かりやすくするためにドラえもんで例えて行きましょう。
配役はこんな感じです。
ドラえもん(直江兼続)
のび太(上杉景勝)
ジャイアン(徳川家康)
スネ夫(堀直政)
まずジャイアン(徳川家康)がのび太(上杉景勝)に、俺様に歯向かおうとしてるってスネ夫(堀直政)に聞いたぞ!説明に来い!と手紙を書きました。
のび太はそんなつもりないよって思ったんですが、態度がハッキリしないのび太の今後を考えてドラえもん(直江兼続)が強気に出ます。
ドラえもんはこんな内容で返事(直江状)を書きました。
ジャイアン(徳川家康)へ
のび太くんが歯向かおうとしてるって?スネ夫の噂を信じちゃったのは残念だなあ。
のび太くんはさっきもジャイアンのリサイタルに参加したばかりじゃない。
そんなにしょっちゅうジャイアンのところに行ってたら宿題が終わらないよ。
ジャイアンのところに行かなくたって手紙でちゃんと連絡するからイイでしょう?
そもそもスネ夫が歯向かうって噂をしてるんだから、まずはスネ夫が本当の事言ってるのか調べないと。
それをしないって事はジャイアンがのび太くんをイジメたいだけなんじゃないの?
こないだはジャイアンも「のび太は俺の心の友だ」って言ってたクセに、急に疑うとかヒドイなあ。
そもそものび太くんは歯向かう気が無いって言ってるじゃない。
歯向かう気がないなら会いに来いって、赤ちゃんみたいな事言わないでよ。
とにかくスネ夫の言ってる事をちゃんと調べてくれないなら、会いになんて絶対行かないからね。
概ねこんな感じの内容だったのでジャイアンはムチャクチャに怒って、のび太の家へ殴り込みに行くことにしたのです。
これはヤバいと思ったのび太は流石に態度をハッキリさせるしかなく、戦に臨むのでした。
ジャイアンこと徳川家康は武田信玄に戦いを挑んだ際に怒りっぽい性格を反省したハズなのに、まったく教訓が生かされていないのは残念でしたね。
もし直江兼続がその辺を見抜いた上で直江状で挑発したとしたら流石ですね。
そして流石って言うたびに「さすがの猿飛」を思い出しちゃうの。
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大島三十郎は実在したのかを調査したぜ!
大島三十郎は女性嫌いだったとされる上杉景勝に跡継ぎを作らせるために、家老の直江兼続によって送り込まれた「男」として描かれています。
そんなトンデモ設定ですから大島三十郎は実在しないだろうし、モデルになった人物もいないだろうと思いながらも、やっぱり気になったので調査してみました。
その結果、居ました!それらしき人物が。
そもそも上杉景勝が女嫌いだったと言われる元となった書物が「奥羽永慶軍記」です。
この書物によると直江兼続は景勝に跡継ぎを作らせるために、男装させた桂岩院を景勝に近づける事で跡継ぎである定勝が誕生したと書かれているのです。
かなりムチャな内容ですが、この展開は山風短の大島三十郎のストーリーとも一致します。
他にも大島三十郎と佳岩院との共通点として、大谷吉継の関係者である点や景勝の正室である菊姫に嫉妬された事も上げられます。
山風短の第一幕の最後にも奥羽永慶軍記についての記載もあるので確度は高いと思います。
よってマサムネの結論は、大島三十郎は実在はしなかったがモデルになった人物は景勝の継室「佳岩院」だったという事です!
でも明かりの少ない時代とは言え、男装して跡継ぎ作るとかテクニカルすぎるだろ!
まとめ
今回は山風短の第一幕 くノ一紅騎兵について語ってみました。
あまりネタバレしちゃうと未読な方はモヤモヤすると思うので、記事はネタバレを少な目にして語っています。
第一幕ラストのくノ一紅騎兵のシーンは、かなりカッコいいので一度は読んでみて欲しいですね。
また直江状は戦国エピソードとして使われやすいので、とりあえず直江兼続が徳川家康を激怒させた手紙って事を頭に入れてもらえれば、他の戦国作品も楽しめる様になりますよ。
戦国時代を舞台にした漫画は知識が増えればより楽しめるようになるので、マサムネの他の記事も参考にして楽しんで下さいね!
ではまた別の記事でお会いしましょう。マサムネでした!