最近はしんちゃんの「ぞうさん」が見れなくなって悲しいマサムネです。
今回の記事は「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」について語っていきたいと思います。
映画のクレヨンしんちゃんは、ドラえもんの映画に負けず劣らずのイイ話が多く、大人も楽しめる作品だったりします。
そんなクレヨンしんちゃんの映画の中でも唯一、戦国時代を題材にした作品がアッパレ!戦国大合戦なのです。
子供向けの映画と侮るなかれ、なかなかどうして戦国武将マニアのマサムネから見ても良くできた作品なので、マニアならではの目線で語っていきます。
昔のクレヨンしんちゃんは攻めの姿勢で好感が持てるマサムネです。 今回は映画クレヨンしんちゃん雲黒斎の野望について語っていきたいと思います。 コチラの映画は1995年公開と古い作品ですがクレヨンしんちゃんの映画の中で戦国時[…]
戦国大合戦はどんな作品なの?
アッパレ!戦国大合戦は2002年に公開された作品で、ぶりぶりざえもんも健在だったころのお話です。(最近は復活したけどね)
野原一家が戦国時代にタイムスリップして、架空の国である武蔵の春日領(武蔵は本当にあるよ)に飛ばされてしまいます。
そこでしんのすけは偶然にも「いじり またべえ よしとし」という武将を助けた事により、またべえ(お股のおじさん)の仕えている城へ招かれ、他国との合戦に巻き込まれていくのです。
良くあるアニメと違いしっかりと時代考証をしていて、ただのチャンバラシーンは少なく見ごたえのある描き方になっています。
ラストシーンは他のクレヨンしんちゃん作品とは異なり、意外な結末となっている事で話題にもなりました。
ちなみに吉永先生が初めて映画に出てこなかった作品らしいです。
映画内のリアルな戦国描写を語るぜ!
この作品はスタッフが時代考証に力を入れたと語っているだけあり、マサムネの視点からでも見ていて「おお!」っと言ってしまうくらいに詳しく描かれています。
ここではマサムネがアッパレ!戦国大合戦の中で、コレは!と思った表現をピックアップしていきます。
城が凄い!
この物語は天正2年(1574年)を描いた作品で、長篠の戦が始まるちょっと前の、武田信玄が亡くなったころが舞台です。
このころの城は山城と呼ばれ、天守と石垣がメインではなく、地形を利用して作成された城となっており、しんのすけ達が味方する春日城もちゃんと山城として描かれています。
それだけに留まらず、山城では一の丸(城内の区画の事ね)などとは呼ばずに一の曲輪(くるわ)と言うのですが、本作でもしっかりと一の曲輪と呼んでいて感動しました!
実はシステムエンジニアもやってたりするマサムネです。 今回の記事では、城ってどんな構成になってるの?そもそも設備とかわからないなあ、と言うそこのあなたに向けた、今までにない切り口での記事になります。 システムエンジニアの[…]
合戦が凄い!
合戦とは非情なもので、他国を荒らすことが多々あります。
そんな中この作品でも非道な行為が描かれています。
そう「刈り働き」です!
これは敵国の作物をバッサバッサと刈り取り、収穫を妨害して、終いには持ちかえってしまうという恐ろしい行為で、兵糧攻めと兵糧確保を一度に実行します。
作中でも足軽達が麦を刈り働きされて、ションボリする姿が描かれていました。
刈り働きは地味な絵面なのであまり描かれることが無いのですが、まさかクレヨンしんちゃんで刈り働きを目にするとは思いませんでした。
続いては合戦についてですが、こちらも戦国時代の合戦の流れに沿っており、まず弓、鉄砲、石などの飛び道具で攻撃をして、次は槍合わせによる叩き合いからの追撃、槍が折れたりして使えなくなってから初めて刀を使うという流れです。
たいていの合戦を描いた作品では、見栄えの良い刀での切りあいがメインで描かれますが、クレヨンしんちゃんではその点も最小限に収めて飛び道後と槍をしっかりと見せてくれます。
ただ二点気になるところがあって、焙烙玉(油を撒いて火をつける武器)での攻撃は村上水軍などが海戦で使用したもので、武蔵の小国の城攻めに使ったのかは疑問です。(焙烙火矢ならあるかも?)
あとお股のおじさんとしんのすけが、絶対に破らない約束をするシーンで金打(きんちょう)という刀を鞘から少し抜いて、カチリと戻す作法があるのですが、一説によるとこれは江戸時代に始まったものと言われています。
でもカッコイイシーンなだけに、戦国時代にも地方によって色々な作法があったのでは?と考えれば納得できますね!
それ以外は文句なしの合戦なので、一度は見て欲しいです!
戦国時代でタイムパラドックス?(ネタバレあり)
アッパレ!戦国大合戦では戦国時代にタイムスリップするという設定上、タイムパラドックス(過去を変える事で未来も変わる)が発生します。
過去にタイムスリップする原理については、戦国時代の姫様の思いが起こした奇跡の様に描かれていて、ご都合主義で時間の概念もすっ飛ばすのかと思いきや、ちゃんとタイムパラドックスの回収を行っていました。
具体的には、しんのすけがタイムスリップする時にお股のおじさんをケツだけ星人で鉄砲隊から救うのですが、これによりお股のおじさんは死なない事になってしまいます。
合戦も終わり最後に城に帰るシーンで、お股のおじさんは謎の銃弾で打たれてこの世を去ってしまいます。
これによりお股のおじさんが死ぬという結果が変わらない為、タイムパラドックスが起きなかったのです。
ただこの銃弾は誰が放ったのかが謎になっており、当時は話題になっていました。
敵兵が放ったのかというとみんな打っていないと否定する描写があり、となると敵兵ではなく最初のケツだけ星人で助けた際に放たれた銃弾が、タイムパラドックスを起こさせない様に因果が補正を行って、最後のシーンで着弾したのではないかとも言われています。
製作者サイドでも明らかにしていないので答えは闇の中ですが、クレヨンしんちゃんの作品の中でしんちゃん側の味方キャラが死ぬという展開は珍しく、この死ぬ展開に説得力を持たせたかったのではないかという結論にマサムネは至りました。
余談だが、辞書の変換で「ケツだけ成人」とか「ケツだけ聖人」とか変換されて一人で吹いちまったぜ!
まとめ
今回はクレヨンしんちゃんで戦国時代を語ってみました。
子供向けの作品ながら、クレヨンしんちゃんとドラえもんは大人でも楽しめる内容なので無性に見たくなる時があります。
今回のアッパレ!戦国大合戦も見直してみると、時代考証がシッカリとしている事に驚かされました。
あなたもちょこっとでも興味が出たのであれば、合戦シーンをよーく見てチャンバラ物の時代劇との違いを楽しんでもらえると嬉しいです。
では、また別の記事でお会いしましょう!マサムネでした。
ちなみに古い作品だからブルーレイは出てないんだぜ…。